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「はぁはぁ…はぁ…」
「……」
宗介さんの指で絶頂を迎えた私はただ息を吸ったり吐いたりするのが精一杯だった。ヒクヒクと痙攣する私の中は宗介さんの指を締め上げていた。
やがて宗介さんの指がズルッと私の中から引き抜かれた。
「っ…!」
其の衝撃で私の体はフルッと撓った。宗介さんは何も言わずに傍に置いてあったティッシュ箱から数枚を取り出して指を拭っていた。
「…宗介…さん」
「……」
私は次に来るだろう甘い期待に胸を高鳴らせていた。
(やっと…やっと宗介さんに…)
望んで来た行為をやっとしてもらえるのだと思ったら幸せ過ぎてどうにかなってしまいそうだった。
──だけど
「寝る」
「…え」
徐に立ち上がった宗介さんは私を置いたままリビングを出ようとした。
「ま、待って…!宗介さん」
私は気怠い体を起こしドアに向かった宗介さんを呼び止めた。
「待って…あの…寝るって…?」
「言葉通りの意味だが」
「…つ、続きは…」
「……」
「私…宗介さんと…あの…」
指だけじゃなく宗介さんとちゃんと繋がりたい。そう思ったし、そうなるのだと思っていた。
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