いつも通り

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いつも通り

「何で『ゴールデンウイーク』って言うんだろう?」 「諸説あるらしいけど、映画『自由学校』が、この連休中に当時の最高の売り上げを記録したことから、稼げる期間ってことで宣伝用語として、映画界で『ゴールデンウイーク』ってつけたのが始まりらしい」 「娯楽に使う金のための期間ってことか……」 「お金を使ってくれる人が居るから、俺達みたいに休まず働いて、金を稼ぐ人間だっている訳なんだから」 俺は苦笑しながら、そう返す。 ここはコンビニ。 ゴールデンウイークだからといって、休みにする訳にはいかない。 というより、行楽に出かける人達が立ち寄るから、いつもよりも客は多い。 たくさんの客をさばきながら、ちょっとした合間に、俺と一緒にシフトに入っているフリーターの友人と、さっきのような会話をしていた。 「忙しくなることを見越して、バイトの時給を少し多めに出してくれるって言ってたけど、これだけ忙しいと、ワリに合わない気がするな」 そう愚痴りながらも、友人は商品の補充作業をしている。 「『ゴールデンウイーク』っていうくらいなんだから、この期間はお金が降ってくればいいのに」 「もし降ってきたとしても、小銭ばかりな気がするけどな」 俺は苦笑しながら答える。 「それに、小銭だと拾うのが大変じゃないか?」 「大変だと思って拾わない人がいるから拾うんだよ。塵も積もればって言うだろう。でも、拾ったお金の取り合いが起きたりして、意外に面倒なことになりそうだけど」 「俺は、空からお金が降ってくるよりも、俺の銀行口座に五億円くらい振り込まれている方が嬉しいけどな」 「それな! それなら、拾う手間はないし、振り込まれたお金は全部自分のもので、他の人と取り合いになることもない!」
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