缶けり日和

その後、俺はどうやらその公園で倒れているのを発見されたらしく、今は病院のベッドにいるらしい。

そして、そこは精神科らしい。

俺の横で医者と妻が話をしている。

「どうやらご主人の意識は小学生に戻ってしまったようです」

「強いストレスが原因の、そこからの現実逃避と思われます」

「え！　そうなんですか！？　それにしても主人は今いったい何をしてるんですかね？」

「こんなに、こんな風に楽しそうに笑ってるあの人　久しぶりに見ました」

つられて笑う妻の声が、心地よい春の日差しが差し込む病室内にやさしく響いていた。