2人で見る空は

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しかし、準備も終えて部屋に戻ると、末森はベッドに突っ伏してしまったのだった。 「末森マネージャー…?」 「も、ダメ…。今日は早起きだし、乗り継ぎ便だし、」 「夜店、いいんですかー?」 先程聞いた夜店に夕ご飯を食べに行こう、と話していたからだ。 「んー、後でホテル棟のコンビニで、スパムおにぎり食べる。すっごく美味しそうだったから。」 「じゃあ、買ってきますよ。」 「ホントー?よろしくー。」 サンダルを履いてホテルのロビーに向かうと、シャツとパンツ姿の大藤がいる。 「お一人ですか?」 大藤はにこり、と由佳に笑顔を向けた。 「はい。」 「ご案内、しましょうか。」 「はい!」 デートだぁ!嬉しいっ! 「今日は成田家と元宮家は一緒にお食事だそうです。レストランの予約も済んでいますし、手配は万全なので、俺もフリーです。」 「嬉しい。」 「俺もですよ。それに…、そんなに嬉しい、を全開にされたら、今すぐ部屋に拉致したい位です。」 「え…」 「ても、海外でこんな風に過ごす機会はないでしょうからね。ご案内、しますよ。」 フロントに歩いていった大藤は、さらりと英語で、タクシーを依頼する。 どうしよう、すっごくカッコよくて、どきどきしちゃう。 「久信さん、英語もペラペラなんですね。」 「日常会話程度です。ペラペラと言ったら翔馬さんの方がペラペラですよ。あの方は英語で交渉しますから。 俺もまあ、タクシーを呼ぶくらいはね。さすがに、コールミータクシーとは言わないですよ。」 ん?私にタクシーを呼んで…ではなく、私をタクシーと呼んでくれよ!くらいかな。 「っふ…あははっ…」 完全にツボに入る由佳だ。
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