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決断の夜
大藤のマンションに帰って、由佳は大きくため息をつく。
いろいろ…いろいろありすぎた。
旅行の後片付けをしながらも、気持ちはすっきりしない。
「由佳、今お風呂をいれたから、入っておいで。とにかくゆっくりしなさい。」
「うん…。ありがとう、久信さん。」
部屋着に着替えた大藤が、由佳にいつもの微笑みを向ける。
「可愛い由佳のためですから。」
じいっと大藤を見上げて、きゅうっと由佳は抱きついた。
どうしよう。
本当に、大好き。
「由佳、大丈夫ですよ。きっと大丈夫だから。俺がついてます。」
「うん…。」
「それとも、一緒に入る?」
んん?お風呂のことだ!と気付いて、由佳はぎゅううっと大藤の胸に顔を埋める。
「ん…入り、ます…。」
くすりと笑った大藤が、由佳を洗面所に連れて行く。
そして、由佳を立たせて、部屋着のファスナーに手を掛けた。
それを、ゆっくりと引き下げる。
由佳の方は、大藤がいたずらっぽい表情をしながら、ゆっくりファスナーを下げるから、もうすでにごめんなさい、と言いたいくらい照れくさい。
ファスナーの隙間から、綺麗な肌と、下着が姿を現し、大藤はその肌を指で辿る。
「日焼け…あまりしていませんね、綺麗な肌…。」
「っ…久信…さんっ…。」
「海外なんてところにいて、目の前に水着の彼女がいるのに、なんで私は一人で寝ていたんでしょうね?」
その肌をすっと撫でて、そんな事を聞く。
「だ…って、みんないたから…。」
けれど、そんなことは言うけど、物陰で、結構際どいことはされたような気がするのだ。
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