第1章 北の大地だ、ジンパでほい

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「問題ない。工学博士に限ると記載はないからな。環境地質工学ってえのも『工学』って単語がついてるだけでほとんど地質学だ」 「だからって」 「お前、貝化石以外にもその周辺の岩石鉱物やら古環境解析やら岩盤構造もやってんじゃん。条件にぴったりじゃん」  本当か? いや絶対に勢いだけでいっているよね?  拳を震わせ朋子は検索をかける。  すると意外にも岩ポンの言葉は的はずれではなかった。助教募集をしている分野の教員のほとんどは、朋子が属する学会に入会していた。分野の担当授業キーワードも朋子の研究と一致する。  これは、と朋子は遠い目になる。断る理由がない。というより、先方は岩ポンを重んじてわたしを断れないしっ。
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