第1章 北の大地だ、ジンパでほい

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 岩ポンという愛らしいニックネームを持つ岩嶋教授。  企業ウケしないこの地質学という業界において、泣く子も黙る重鎮である。  論文の数、国内外の科学雑誌への掲載率は業界トップ。超多忙の教授職、しかも五十代でありながらも三十代研究者を圧倒するほど精力的に野外調査日数をこなし、調査エリアは国内にとどまらず全世界におよぶ。海外共同研究者も多く、「名護屋(ゴヤ)大学のイッワー」といえば通る話も多い。  くわえてがっしりとした身体つきに厳つい顔つきとやたらデカい態度がどんな相手にも威圧を与えた。  そんな岩ポンから求職者本人の募集応募書類より先に推薦状が届いたら相手はさぞあわてることであろう。
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