第1章 北の大地だ、ジンパでほい

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 朋子は口をへの字にまげてモニターを見る。白黒画像の色合いをととのえ、同時によりしっかりと焦点を合わせる。指先の震えほどの動きでも1万倍近い倍率では画像がぶれる。油断ならない。 「よおし。ここだな、って、うおう」  ペンギンたちが朋子の視界をさえぎった。全長1メートルほどのペンギンたち。彼らはモニターとキーボードのあいだを列をなして跳ねていく。 「邪魔しないでよ」  手ではらうものの、朋子の手はペンギンたちの身体を虚しくすり抜ける。むっとして身を乗り出すとペンギンたちは朋子の背中に飛び乗り跳ねた。実体はないのに衝撃はある。あやうくキーボードに額を打ちつけそうになる。
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