Marigold -4-

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 ふとポルポラが感嘆の声を上げた。 「わあ、すごい。全部、(きん)ですね」  棚に飾られた金のトロフィー、メダルーー私が今までに受賞した、栄誉を象徴する品の数々だった。  私は苛立ちを隠し、彼女に微笑みかけた。 「私はね、金がーー 一番の色が、好きなのですよ」 「一番の色、ですか」 「ええ。何事も、一番でなければ意味が無い」  彼女は不思議そうな顔をして、再びそれらを見つめた後、少し遠慮がちに口を開いた。 「あの、確かに一番はすごいと思いますけど、」 「はい」 「二番とかでもすごいと思います。でも、それには意味が無いのですか?」  その言葉に、心臓が跳ねるのを感じた。  複雑な感情が、私の心に去来する。それは懐かしさ。悲しみ。怒り。後悔。さまざまな色が入り混じり、一言で表現することはできない。  私は気取られぬようその感情を鎮めると、作り笑顔を浮かべて彼女に言った。 「ええ、意味がありませんね」
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