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四日経っても口を割らないポルポラに痺れを切らした私は、剣士を餌に使うことに決めた。
しかしその意図を察した剣士は、私に悪態を吐く。
「お前みたいな奴はな、今までも何人かいたよ。だがポルポラが喋ることはない。あいつは、目の前で俺が半殺しにされてた時も黙りを通したぜ。残念だったな」
煩い男だ。
しかし虚勢にしては、余裕があるのが気になった。
もしかすると二人の間で、あらかじめの約束事があるのかも知れない。
「しかしね、半殺しの方法にも色々ある。
私はその色々を、知っているつもりですよ」
******
合成獣になった剣士を見て、ポルポラが叫んだ。
彼女はひどく取り乱している。
私はそこに、彼女が望む言葉を与えてあげた。
ーー貴女が話せば、彼は助かるのだと。
しかし、それは上手くいかなかった。
あと少しというところで、剣士の残っていた自我が邪魔をしたからだ。
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