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そして三年後、13歳の時、私は王都の魔法学校へ入学した。
最先端の学問を学び、高度な知識に触れられる日々は喜びの連続だった。
王都の街は常に進歩的で、知的刺激に溢れている。私の故郷の村とは対照的だった。
しかしその中においても、私の中で次第に、怒りの芽が育っていった。
同級の魔法使い達が、惰性で知識と向き合い、研鑚を怠っている現実に苛立った。
私の実力は最初の定期試験ですぐに評価され、とても簡単に特待生になることができた。しかしそこに達成感はなかった。
五年間の学生生活を王都で過ごし、勉学や研究に励んだ。その中でひとつ気付いたことがあった。
私の発表する論文が表彰される度、その研究を支援したいというスポンサーが集まってくるのだ。それは上位の成績であるほど顕著であった。
一番であることーー栄誉には、価値があるのだ。
かねてよりなんとなく感じていたことが、私の中で確信に変わった瞬間であった。
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