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Marigold -2-
最終学年になったある休みに、久々に帰省すると、とんでもない現実が待っていた。
「母さん、何で……言わなかったんだ」
「大丈夫よ、大したことないから」
嘘だった。不治の病だ。
私が王都で研究に励んでいる間、母は病に侵されていた。
「研究の賞金が、少しだけどある……今からでも、」
そう言う私を母は制した。
「それはあなたが医療魔法を学ぶ為のお金よ。私の病は治せない。だから、私はこのままでいいの」
「そんな訳無いだろう!」
ふと、一つの妙案が浮かぶ。
「そうだ……僕が、母さんの病を治す薬を創る」
「ふふ……頼もしいわ」
「本当だよ。何人か、僕の研究を支援したいと言ってくれてる人がいるんだ。この病で苦しむ人は他にもいる。需要はあるはずなんだ。必ず、新薬を完成させるから」
私の言葉に、母は嬉しそうに頷いた。
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