Marigold -2-

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 私の予想は的中し、スポンサーはすぐに新薬開発の為に資金援助をしてくれた。 「これが成功したら、君は間違いなく、王都で一番の研究者だな。母を救いたいという美談にも感動した。共に頑張ろう」  スポンサーのひとりはそう言って、私の肩に馴れ馴れしく手を置いた。  彼の真意は別のところにあるのだろうが、それはどうでも良かった。  それから私は朝から晩まで、寝食も忘れ、研究に没頭した。  魔法学校を卒業するには単位としての研究論文が必要だったので、私は途中経過のごく一部を、適当にまとめて提出した。それだけの内容で、他学生の三倍は価値がある論文だった。  私は首席で学校を卒業し、その首には金に輝くメダルがかけられた。そのメダルの色を見て、やはりスポンサー達はこぞって私を支援したがり、出資しているのは自分だと世間に言いたがった。  そして次の春を迎えた頃、いよいよ研究は最終段階に入った。  理論上、新薬はほとんど完成していたと言ってもいい。私は間に合ったのか。  そう思ったある日、突然に目の前が真っ暗になった。
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