フォト日和

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大学の写真学科に進みたい、と両親に話したときには、当然ながら猛反対された。写真家になる才能があると思っているのか、好きと言うだけでなれるものじゃない、写真は趣味のレベルにしておきなさい、etc. etc...... もちろん、私にも自分に才能があるのかどうかなんて、分からない。SNSに投稿するとそれなりに反応はある。しかし、小さなフォトコンテストに何度か応募しているが、一番良くて「もう少しで入選」というところに引っかかったくらい。スマホで撮ったものでも入選している作品がある、ということは、あながちカメラのせい、とも言えない。 結局私は写真学科は断念し、それよりももう少し応用(ツブシ)が効きそうな情報メディア学科に進学することにした。カリキュラムの中にデジタルコンテンツの制作があり、今や写真もデジタルが主流なので、ここで学ぶことも無駄にはならないだろう、と思ったのだ。ようやく両親も納得してくれた。 --- 大学で私は迷わず写真部に入部した。高校にも写真部はあったが、部員はみなちゃんとしたカメラを持っていて、スマホしか持っていない私には敷居が高く、入りづらかったのだ。しかし、当時の私には強い味方があった。 SONY α350。 高校時代にコツコツ貯めた小遣いを全てはたいて買った、デジタル一眼レフ。といっても、もちろん中古でほとんどジャンク扱いだ。だけど問題なく撮影できる。中古市場に溢れかえっている昔のミノルタの安いレンズが使えるので、私は買うならαシリーズだと決めていた。 ---
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