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「ふだんが足りないんだ、馬鹿」
小声で彼の口真似をして、額を小突くふりをする。
蒲団に包まって眠る顔は、赤い。
もとが青白い顔だから、紅潮するとよけい病的に見える。
総司は手ぬぐいを桶水に浸し、きつく絞るとその赤い額に載せた。横臥する土方の隣に腹這いになり、寝顔をじっと観察する。
(うるせェ、あっちへ行ってろ)
(いやですよ)
(お前がうろちょろしてると、治るもんも治らん)
(こちとら看病してやってんだ。我慢なさいな)
頭の中の土方と会話をする。
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