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(感染すのがこわいんでしょう、あんたは)
(そんなんじゃねえ。てめえなんか、百回倒れても勝手に起き上がるだろう。怖かねえよ)
頭の中でも奴さんは強情だ。総司はくすっと笑った。
白でしょうと言えばすかさず黒だ馬鹿野郎と声高に言う。
それが可笑しくて、つい総司はからかってしまうのだ。
「早く元気になぁ〜れ……」
微睡みの中、ぽつんと言った。
遠くで雨が降っている。
「ッ────」
悪い夢を見た気がした。
飛び起きると、ひたと湿った音を立てて手ぬぐいが落ちる。同時に、ぐわんと仄暗い部屋が歪む。
「う」
前髪を引っ掴み、背を丸め目眩をやり過ごす。
落ち着いた頃には、弾んだ息も収まっていた。
「総司」
気配がして名を呼ぶ。すぐそこにいるかと思ったが、応答はない。
(おれも、不調があると鈍るらしい)
土方は、赤い唇を歪めた。
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