青葉

5/5
前へ
/66ページ
次へ
何も言わない俺に、分かったように声をかけてくれた。  「おぉ」 白い用紙に、文字をつらねて少し形になりつつあるものへの感想を聞きたい。 形になったものを見せる勇気はそこそこに、 恥ずかしさだけが残る。 笑われるだろうと思うが、最初はあいつらがいい。 どんな感想がとびだすのか、楽しみなのはやっぱりあいつらだからだろう。 カバンの奥に、数枚の書いた用紙をしまい、会社へ急ぐ。 ------------       ----------------  仕事は、ナンやカンやで無事にミスもなく定時に終えた。 急ぎ店へ・・・  「いらっしゃいませ~おひとりさまですか?」  「いや、あと3人。」  「それじゃぁ~えぇとぉ、こちらのテーブル席へ。」 もうすでに走ってきたせいもあり、心臓がバクバク、ドキドキしていた。 入口が見やすい位置に座り案内した店員に   「とりあえず、生」  「ジョッキで?それとも瓶をグラスで?」   「あぁ!ジョッキでそれと冷奴。」  「わかりました。」 席についてからすぐ、ジョッキがきてぷるんとして美味しそうな豆腐が運ばれてきた。  「いらっしゃいませ~」 楽しみしていたのか、一番乗りで席についたのは翼。  「すいませ~ん、追加で生。」 翼が俺をじぃ~と見てニヤリ。 右手を出し、指先で合図した。 俺は、皆が揃うまで待ちたい気持ちで、首を横にふったが、まだ右手が俺の前にあった。  《仕方ない、わたすか。》  「ほい。」     ワィワィ  「お~サンキュー。」 翼が・・・          ガヤガヤ  「棘、おォ~どれどれ。」  「いらっしゃいませ2名さま、こちらで!?」 隼輔、昌樹もかけつけてくれて3人がページをめくりなから読み始めた。  
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加