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雪が彩る冬の空は涙が出るほど絵になっている。
白くぼやけて現実と夢の境がなくなり体を突き刺す冷ややかな風と澄んだ空気が出来上がった絵の四方を固める。
理由なんて必要ない、今日は怠け日和だ。
こんな日は寝るに限る。
やる気が一切起きない。
もしかしたら両親を亡くした事故が雪の日だったから、っていうのもあるのかもしれない。
でも、もう忘れた。
寝て起きてを繰り返していくうちに人はどんな感情でもリセットできると言うことを僕は身をもって確認している。
みんな勘違いしてるかもしれないけど、リセットは逃げるためにするんじゃない。
今はより良い自分に出会うための高尚な準備期間だ。
完璧に気持ちができたその暁には、今までの僕の引きこもり期間に価値が生まれる。
その日がきっとくると信じて僕は布団にくるまった。
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