寝てリセット

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寝てリセット

バケツをひっくり返したような土砂降りの今日は誰がどう見ても怠け日和である。 窓の外から絶え間なく続くモノクロの雨音に耳を傾けながら、僕はコントローラーを握る。 雨は危険だ、外に出るには適さない。 だって雨は石をも穿つんだろう? 石よりも柔い僕の意思はすでに穴だらけで、これ以上傷つけるわけにはいかない。なので今日も学校には行きません。 液晶の向こう側では、リオネル・メッシが走っている。 僕の代わりにコート内を縦横無尽に走り散らかす世界一。いつのまにかボールを奪っていたメッシはゴール前の決定機で大きく枠を外してしまった。 なぁんだ世界一って大したことないや、なんてとぼけてみるが誰も突っ込んではこない。 これだから一人はつまらないんだよ。 メッシは相変わらずボールを追って右往左往している。 違う、メッシはそうじゃないよ。僕の想像とかけ離れている。 だから僕は一度試合をリセットした。
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