2月26日

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 すとんと席に着くと、隣の村田さんが顔を上げました。 「赤木さん、どうしたんですか。顔色が悪いですよ。外、寒かったんですか」  そうでした。  そう思った途端、ぶるっと寒気がしました。 「もしかして、熱があるんじゃないですか」  村田さんが私の額に、手を当てました。  部屋の中にいて、暖かいはずの村田さんの手が、冷たく感じます。 「やっぱり熱いです。帰った方がいいですよ」 「……でも、今日の分、入力できてないし」  そこに、小谷さんが戻ってきました。 「主任、赤木さん、熱があるようなんです」  すぐさま、小谷さんは眉をしかめました。 「まさか、インフルエンザじゃないだろうな」  それは、とても私を心配している口調ではありません。    休んだら、その間の仕事はどうなると思ってる。  えー、うつすなよ。  そんな気持ちが手に取るようにわかります。  それは、私の心をガボリとえぐりました。  もう、無理して居ることないですよね。 「あの、早退します。後をお願いします」
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