35人が本棚に入れています
本棚に追加
カチャカチャという音が聞こえてきます。ここはどこでしょう。
重いまぶたをあけて、気が付きました。ここは病院です。
あのまま帰りたかったのですが、インフルエンザだったら大変だと思って受診しました。検査をしたら、ただの風邪で、ほっとしました。
ふらふらしていたので、点滴を受けました。私は眠っていたのです。
「大丈夫ですか。ああ、顔色が戻りましたね」
「何だか久しぶりに、ぐうっと眠れました」
「ずい分、お疲れだったんですね」
その看護師さんの声に、懐かしさを覚えました。心の奥の扉を開けて、記憶をたどります。顔を見て名札を見てわかりました。
「松山久美ちゃんやね。私、島野花」
「花ちゃん? そうやわ、花ちゃんやわ」
久美ちゃんとは中学まで同級でした。
一番の親友ってわけではなかったけれど、好きなマンガの話をよくしてたんです。
高校では、彼女は看護科に進みました。
最初のコメントを投稿しよう!