2月26日

3/4
前へ
/34ページ
次へ
 カチャカチャという音が聞こえてきます。ここはどこでしょう。  重いまぶたをあけて、気が付きました。ここは病院です。  あのまま帰りたかったのですが、インフルエンザだったら大変だと思って受診しました。検査をしたら、ただの風邪で、ほっとしました。  ふらふらしていたので、点滴を受けました。私は眠っていたのです。 「大丈夫ですか。ああ、顔色が戻りましたね」 「何だか久しぶりに、ぐうっと眠れました」 「ずい分、お疲れだったんですね」  その看護師さんの声に、懐かしさを覚えました。心の奥の扉を開けて、記憶をたどります。顔を見て名札を見てわかりました。 「松山久美ちゃんやね。私、島野花」 「花ちゃん? そうやわ、花ちゃんやわ」  久美ちゃんとは中学まで同級でした。  一番の親友ってわけではなかったけれど、好きなマンガの話をよくしてたんです。  高校では、彼女は看護科に進みました。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加