かんのんさまのいうとおり

３月２１日

　今日は春分の日です。お彼岸です。仕事はお休みです。
　暑さ寒さも彼岸までと言います。
　けれど、今年はまだまだ寒いように思いますが、どうでしょうか。
　午前中に、お墓参りに行ってきましたが、風が冷たかったです。ろうそくの火がなかなか着かなかったんです。
　明日あたりから、暖かくなるといいですね。

　観音様……昨日、面接を受けましたよね。
　私、今までに色々な仕事をして来ました。
　それらに比べたら、今回受けた仕事はとてもやりたい仕事なんです。
　大好きな本に囲まれて、子どもたちに本を手渡す仕事です。
　これは、自分を活かせる仕事だと思うのです。

　やりたいんです。
　この仕事をぜひやってみたいんです。

　今まで、仕事に対して、こんなに熱望したことはありませんでした。
　なのに面接で、自分を十分に出し切れなかったように思うのです。

　面接の最後に、面接官に質問されました。
「あなたと担当の先生との意見が食い違った時は、どうしますか？」
　当たり前すぎて、裏があるのかと思いました。
「先生のおっしゃる通りにします」
と、答えたんですけど、あれで良かったと思いますか？

　朗読だってそうです。
　頭に入っているからと高をくくっていたら、あがりまくって、つっかえつっかえだったし。
　どうして、ここ一番の時に、自分をアピールできなかったのでしょう。
　やっと巡ってきたチャンスだったのに。

　もう終わってしまったことを考えても仕方のないことだと、承知しています。結果が届くまで、考えるのを止めよう。そう思っているのに、気が付くと、頭の中に面接の再生ビデオが流れるのです。

　もう胸をかきむしりたくなるぐらいなんです。
　ああああと叫びたくなるぐらいなんです。
　拳で、床をたたきたくなるぐらいなんです。
　歯を食いしばって、いりいりと歯ぎしりしたいぐらいなんです。
　床を転げ回って、このいら立ちをどうにかしたいのです。

　これは怒りですか？ 悔しさですか？
　何に対してですか？　
　誰かに対してですか？
　運命に対してですか？

　わかりました。自分に対してです。