ちゃりん丸・1

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 ─────  ───────………  それからはもう、夢見心地だった。  女の子が石みたいなものを投げつけて犯人を倒したぞ、とか、あれは固いボールのような物だったぞ、とか、いろいろ言われて。  警備員のおじさんや行員の男の人、そして最初に話し掛けてくれたお姉さんにも「大丈夫?」「大丈夫?」とたくさん心配されて。  パトカーのサイレンの音とか聞こえて、駆けつけてくれたお母さんの顔を見て安心して泣いて。 「何ていう無茶してんの!」ってちょっと怒られて。  お母さんも「こんなことになるなら銀行に一人で行かすんじゃなかった」とか「でも無事でよかった!ホントに無事でよかった!」って泣いて、そんなお母さんに抱きついて私もわんわん泣いて。  もう、力が抜けて、すぐには動けなかった。  生まれて初めて一人で銀行に行った日に、こんなことになるなんて。  ああ、今日という日は、本当に。  本当に──……。  ────  ─────……
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