ちゃりん丸・2

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 あの後、犯人に当たった後に床に落ちたボクは、壊れました。  電池のフタは欠損してネジが飛び、“内蔵”の回路もいかれてしまいました。  だから、本当にさようならです。  カナちゃんがボクにくれる、なけなしの百円が好きでした。  ギザ10も、昔の五百円玉も。  中でも、カナちゃんが生まれた年が刻まれた硬貨が一番好きだったな。  だってカナちゃんが、嬉しそうにくれたから。  お金もたらふく貯えられて人の命も救えるなんて、最後の最後で貯金箱冥利に尽きるよ。  カナちゃん、本当に今までありがとう。  ボクにとっても、今日という日は本当に。  本当に───……。  ───────  ────────……… 「──ちゃりん丸……」
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