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ユウトがシャワーを浴びている間、俺は自分の股間を見つめていた。
……勃つかな。
なんとなく自分がリードしなければならないのは、経験値の違いから分かった。
ユウトは緊張しているのだ。
俺も実は「こっち側」の経験はないのだが、まあいい……ヤツよりはマシだろう。
濡れた自分の前髪が揺れるのを感じながら思考していると、キュッとシャワーの止まる音がした。
あ……、と自分でも意外なほど心が跳ねる。
なんだ、これは。
「キタわね」
ボス猿はさっきから完全に気配を消していて、唯一タバコだけはねっとりとくゆらせている。
キタ、と俺も思った。
浴室から出てきたユウトは、下はボクサーパンツに上はタオルをかけて、濡れた髪から雫を滴らせて出てきた。顔が青いのは寒さのせいじゃないだろう。
拭いてやろうか、と言おうとしたが、小慣れた感じを出すのもどうかと思い、思い止まる。
「……しっかり洗えたか」
「……おう」
そんな会話をして、二人ベッドに腰かけて背を向けた。
ボス猿がカメラを構える。おい、撮影すんのかよ。
「安心して、外には漏らさないわ」
当然だろう。色々オシマイだ。
「なあ」
俺が髪に手をかけると、ユウトはびくりとカラダを震わせた。まるで処女だ。
「寒くないか」
濡れた頬に手を添わせる。
「もっとこっち来いよ」
ユウトがぎゅっと目を閉じる。
気がつくと、俺は勃起していた。
女の子でも、こんなに恥じらうのは初めてだ。
――可愛い。
その言葉は声に出さずに、俺はユウトをベッドに押し倒した。
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