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荒れ狂った中2
俺が勉強をしなくて済むようになって
気付いたら中2になっていた。
提出物すらおろそかになった。
クラスメイトの誰かに見せてもらったり
答えを写したり。
めんどくさい時は提出しないときすら多々あった。
中1のときとは違い、俺はクソヤロウになっていた。
でも、楽しかった。
色んな事をやったよ。
タバコを吸うようになった。
といっても本物のタバコではない。
この時にはすでに年齢確認がないと自販機ですらタバコを買えない時代になっていたからだ。
それに、興味はあったが実際怖かった。
俺が吸ってたタバコは正確にいうとタバコではない。タバコに似た全くの別物だった。
作り方はとても簡単だ。
用意する物
1.小さな紙
2.ティッシュ
3.セロハンテープ
作り方は
小さな紙に同じ大きさに畳んだティッシュを
重ねて筒上に丸めて口に当たる部分となるところをセロハンテープで止めただけ。
それを吸いながら火をつけると
タバコのように煙をあげながら燃えるのだ。
勿論、吸って口から煙を吐くことも出来る。
手にとって見ないと偽物とは気づかれない。
でも、美味しいと思ったことはない。
ただ、格好よいと思っただけだ。
実際、格好つけたいと思ったときだけ吸っていた。
今思うと、俺はただ、小さな火事を起こして
煙を吸ってただけだ。しかもフィルターなんて無いからめちゃくちゃ体に悪かったであろう。
そんな事をしていたら先輩に目をつけられた。
「タバコ吸ってるんだってな」
「どうせふかしてるだけだろ?」
ふかし?ふかしってなんだ?
中2の俺には分からなかった。
俺は勝手にタバコに火をつけただけで手に持ってるだけの事をふかしというものかと思っていた。
俺はちゃんと吸ってたから
※肺に入れてないため結局ふかし
※ただ吸うだけだと肺には入らない
※ただ吸って吐くことをふかし
※初めてだと意外と肺に入れるのが難しい
「吸ってますよ」
俺はそう答えた。
「へー?銘柄は?」
ん?銘柄ってなに?
俺はまず、その言葉を知らなかった為分からなかった。
実際、手作り偽タバコな為、銘柄などない。
俺は適当にあしらって
その場を後にした。
このときは携帯も持ってない為、調べることも出来なかった。
と、いうよりも調べるという考えに至らなかった。
聞く友達も居なかったし恥ずかしくて聞こうとも思わなかった。
俺は一応、部活に入っていた。
まさかの部活は吹奏楽部。
担当はトロンボーンだった。
小6で辞めてしまったが、3歳からピアノを習っていて
音楽は多少は好きだった。
幼稚園のときから小6までは
色んな習い事をさせて貰ってた。
水泳だけは父親からの強制だった。
泳げない人間はだらしない。
そう言っていたらしい。
母親が言うには
「万が一のとき溺れないようによ」
「お父さんはああ見えて子供たちの事を考えていたのよ」
と、言っていたが
父親の気持ちを考えれるようになったのは
まだまだ先の話。
中2の俺は背伸びをしていたり、
中二病になってたりしていたと思う。
今思うと恥ずかしいエピソードばかりだ。
部活もサボるようになったのはこの頃だ。
部活サボってゲーセンに行った。
お金は持っていなかったから眺めているだけだ。
このとき、お金が欲しかった。
回りが持っていて自分には持ってないものが多すぎた。
ゲーセンに行くようになって
興味をもったのは車のゲームだ
「湾岸ミッドナイト」というゲームだった。
地元ではかなり流行っていていつも人だかりが出来ていた。
車には今まで興味が無かったものの
あの人だかりの輪の中に入りたかった。
その、人だかりを眺める生活を始めて
とある日あることに気が付いた。
ゲーセンといってもショッピングモールの中にあるゲームコーナーのことで
その、ゲームコーナーの横には駄菓子屋さんみたいなものがあった。
何度かその駄菓子屋さんに俺が眺めてた人たちが入って行き少したつとゲーム機に戻ってくる。そしてポケットから出てきたのはお菓子だ。
でも、おかしい。彼らはレジを通していない様に思えた。
今度は注意深く監視をしてみると
やはり彼らは万引きをしていた。
初めて直接みた万引きに俺は驚きを隠せなかった。
でも、彼らは結構な頻度で万引きをしていく。
意外と身近なんだと。みんなやっているものなんだと思ってしまった。
そして、俺も犯罪に手を染めるようになってしまったのだ。
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