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今日もゲーセン友達と「湾岸ミッドナイト」だ。
馬力もマックスになり
車のドレスアップを極める様になった。
対戦でもなかなかの勝率を誇る様になった。
夜までゲーセンで遊んだ後、家に帰った。
自分の部屋のベッドで寝ていたら
信じられないことが起こった。
携帯の着信音だ。
音は俺のバックからだった。
「いやいや待てよ。」
「は?」
俺は携帯は持っていない。
誰かの携帯だった。
「え、なんで。」
俺は誰かの携帯を持って帰ってきてしまったのか。
誰かが間違えて俺のバックに入れてしまったのか。
検討もつかなかった。
携帯の着信はなりやまなかった。
とりあえず家族に聞かれたらまずいと思った。
俺は思わず着信中に電源を切ってしまった。
このとき、本当は電話に出て
相手に俺が持っている経緯を伝えるべきだったのだろう。
それか、家族に相談するべきだった。
でも、家族に相談したところで
俺は無駄だと思っていた。
話したくもなかったし
変に疑われるのが嫌だったからだ。
しばらく時間が経って落ち着いてから
誰の携帯なのか気になった。
きっと、ゲーセン友達の誰かだろう
少し見たら誰のか分かるかもしれない。
そんな事を思い、電源を入れた。
「なにこれ。」
遠隔ロックされていたのだ。
普通はそうだろう。
携帯を紛失したらまずは
携帯会社に問い合わせて遠隔ロックするはずだ。
しかし、中2の俺には
ただただ怖くなってしまった。
この携帯を自分が持っているのが
怖かったからだ。
俺はコンビニに行く振りをして
外に出た。
そして、誰のかわからない携帯を
公園のベンチに置いてしまった。
「親切な人が拾って、きっと交番に届けてくれるだろう」
そう思った。
本当は俺が
警察に届けたりすればよかったと思う。
けど、警察が怖かった。
俺には出来なかった。
そして、俺はこの日から
ゲーセンには行きづらくなった。
罪悪感と自分が変に疑われるのが嫌だったからだ。
しかし、今日のこの出来事がきっかけに
俺はのちに、いじめと逮捕に繋がるのである。
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