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――― うわっ、やっべ。これ、絶対文句をいいに来たな。 僕の心臓はまたドキドキし始めた。 「あれ白石さん、忘れ物?」加瀬君が聞いた。 「いいえ」 「山咲さん、どうした?」 「怒って帰っちゃいました。もう一人の子が同じ方向だったので一緒に帰りました。私は反対方向なので駅で別れて、ここに引き返してきました」 「やっぱ、そうだよね」  加瀬君が申し訳なさそうにいったが、当の間宮は悪びれる様子もなく、平然とコーヒーを飲んでいるのだから神経を疑う。 「あの……。間宮さん?」  いきなり白石さんが間宮に話しかけた。 ――― ほら、やっぱり文句だよ。  僕の緊張はいっそう高まり、白石さんと目を合わせないようにカップのラテの揺れをじっと見つめて、死んだふりを決め込むことにした。
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