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「あなたにお願いしたいことがあるんです」  白石さんがいった。 ――― へっ?  思わぬ言葉に僕は顔を上げた。これには間宮も驚いた様子で、コーヒーを口元に運ぶのを止めた。 「僕に?」 「はい。ちょっと最近怖いことが続いていて。それを間宮さんに突き止めて欲しいんです」 「あの……。何か勘違いしているかもしれませんが、僕は単なる絵描きであって、探偵でも警察でもありませんよ」 「分かっています。けど間宮さんのことは前から加瀬さんから聞いていて、なんか間宮さんなら出来そうだなと思っていたんです」 「ちょっといっている意味が分かりません。加瀬から何を聞いたか知りませんが、僕はお役に立てませんよ」 「そんなことないと思います」  白石さんは自信ありげにいった。 「何を根拠にそんなことをいうんですか?」  間宮が聞いた。 「だってさっきの間宮さんの指摘、全部当たっていたんです」  白石さんはそう答えた。
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