188人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたにお願いしたいことがあるんです」
白石さんがいった。
――― へっ?
思わぬ言葉に僕は顔を上げた。これには間宮も驚いた様子で、コーヒーを口元に運ぶのを止めた。
「僕に?」
「はい。ちょっと最近怖いことが続いていて。それを間宮さんに突き止めて欲しいんです」
「あの……。何か勘違いしているかもしれませんが、僕は単なる絵描きであって、探偵でも警察でもありませんよ」
「分かっています。けど間宮さんのことは前から加瀬さんから聞いていて、なんか間宮さんなら出来そうだなと思っていたんです」
「ちょっといっている意味が分かりません。加瀬から何を聞いたか知りませんが、僕はお役に立てませんよ」
「そんなことないと思います」
白石さんは自信ありげにいった。
「何を根拠にそんなことをいうんですか?」
間宮が聞いた。
「だってさっきの間宮さんの指摘、全部当たっていたんです」
白石さんはそう答えた。
最初のコメントを投稿しよう!