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20階
あれは白昼夢だと、思うようになった1か月後。
「下へ参ります」
再びエレベーターガールに会った。
「扉が閉まります」
ガタンと揺れて、エレベーターは下がっていく。この前と同じだ。
この前は、連日の残業疲れで夢を見たと思っていた。だけど今日は違う。楽しく飲んで来ただけ。それにそこまで酔っていない。
「あの!あなたは…このエレベーターは…」
エレベーターガールがくるりとこっちを向いた。
「私はこのエレベーターの案内人です」
ハッキリとした目鼻立ちのかなりの美人。なのに笑った顔には愛嬌もあって、親しみを持てた。
チーン
「20階でございます」
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