いつも、来てくれる、君へ

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「杉瀬先生、頼まれた物を持ってきました。ここに置いときますので、後で、取って下さいね」 毎日、8時と12時と21時に来てくれる、わたしの助手をしてた椎名仁(しいな じん)くん。 食事や日用品は、総務の人が運んでくれる。 研究で使う薬剤や本などをお願いして、持ってきて貰う。 「椎名くん、クリーンスーツ着てこないとだめでしょ」 白衣にマスク姿で軽装でくる椎名くん。 一面だけガラス越しの隔離された密封空間の中で生活をしているわたし。 だから、物資の補給で開け閉めする以外は、外部と接触は、しない。 でも、もしもの事を考えて、感染しないよう、気を配って欲しい……。 「大丈夫ですよ。杉瀬先生が、かかってるなら、僕もかかっていてもおかしくないんですから。 杉瀬先生、免疫関係の薬品を揃えて持ってきましたから、だから、進行を遅らせて、長生きして下さいね」 全くといってもいいほど、治療薬が開発されていない、新型ウイルスカルロス。 わたしは、自分の身体を使って、自己責任で、薬の開発をしてる……。
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