プロローグ

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2017年、4月…………… 少し冷たい潮風の吹く横須賀馬堀海岸 今夜は月の明かりも無い 海岸に面した温泉施設、【湯楽の里】 夜の露天風呂から幼なじみの二人はただぼんやりと海の向こうを眺めていた 二人は小田原出身の小学生からの親友だ 真島大河(22)は一人、去年横須賀に引っ越した佳樹の元を訪れていた 「大河、どうかしたのか?」 暗い夜の海に目を向けたままの大河に、佳樹は話しかけた 冨澤佳樹はどちらかと言えば真面目な少年、しかしヤンチャな大河とも何故だか仲が良く、お互い多くを語らずとも理解し合える仲だった 「ああ、昔の事を思い出してた……………」 普段ならお喋りでお調子者の大河の事、しかし10年以上付き合いのある佳樹でさえ、今の大河の気持ちは理解出来ないでいた たった一言で…………… たった1つの事実で…………… 親友の、親友達の…………… 恋が終わってしまう…………… 大河は今日に至るまでの1年半もの時間を振り替えっていた…………… 伝説の赤毛のギタリストが生まれ育ったこの静かな美しい海の町で、どこまでも続いている闇夜の海を見つめながら…………… FINAL LOVESTORY
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