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「私は怖いのです。手を触れてしまえば、貴女は何処かへ消えてしまいそうで、このまま友で居られるなら、どれ程幸せであろうかと思うておりました」
富乃の両の目から涙が溢れた。
「もう遅いのです。わたしはあなた様を好いてしまいました。あなた様を思わぬ日は一日とてないのです。どうぞ、わたくしをあなた様のものにして、この苦しみから救ってくださいませ」
若侍は富乃を抱き寄せ、からだを絡ませると富乃の可憐なくちびると自らのくちびるを重ねた。そして二人はひとつになった。
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