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「98、99……100!!」
「すごい!高倉くん、二重跳び100回超えたよ!」
「この学校の最高記録が92回なのに!」
「100の大台越えだぁぁ!!」
俺がリズムよく
100度目の縄を跳び超えた瞬間、
周りは皆、歓声を上げた。
「そこまでー!」
先生のホイッスルと同時に、皆が腕を止める。
「もう、チャイム5分前なので、
今日の体育はここまで。
高倉!見てたぞ!
二重跳び100回超えたな!
すごいことだ!
みんな、高倉に拍手!!」
クラスのみんながパチパチと手を叩く。
その渦の真ん中で、俺は頭を掻きながらも
目を細め、緩く口角を持ち上げた。
縄跳びは、俺の得意種目。
幼稚園の頃から大好きで、ずっと跳んでた。
小学校から帰った後も、
日が暮れるまで一人、家の前で跳んでた。
二重跳びは、
一回もできない子がいるほどの
まぁまぁ難易度がある技。
それを俺は、連続で100回も跳べた。
上級生も未だ成し遂げられていない、
連続100回。
それを、小学3年生の俺が、跳べた。
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