第一章 とある女子高生の日常

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第一章 とある女子高生の日常

高校近くの本屋で立ち読みをしている女子高生、彼女の名前は蛍川 淳(ほたるかわ じゅん)、彼女は今、女子高生向けの雑誌を読んで、今時の流行りなどをチェックしている。 この本屋は、高校が設立された当初からある、学生達の憩いの場、文房具を買いに来る小学生や、参考書を探す受験生も立ち寄る、大型書店と違い、あまり本の種類は豊富ではないが、心落ち着く雰囲気と、店員である老夫婦との会話目的で、学生のみならず近所の人からも愛されている本屋。 この本屋は基本的に立ち読みは自由なのだが、何故ジュンは雑誌を買わず立ち読みしているのかは、お金の節約の為である、女子高生の出費は馬鹿にできない、洋服代など、自分を磨く為に使うお金は必要不可欠、それに学校の中でも、もちろんお金が必要になる時がある。 それに合わせて、友達との付き合いで、学校帰りに買い食いをしたり、休日には友達と街にお出かけをしたりと、やりくりをきちんとしていないと、すぐに財布がピンチになってしまう。 なのでジュンの財布は、月終わり頃になるといつも寂しくなる、それは誰だってそうなのかもしれないが、ジュンは月終わり頃になると急にテンションが下がってしまう習性がある。 おまけにジュンの家は、それほど裕福ではない、父は会社のサラリーマン、母もパートをして共働きをしながら、生活がようやく安定できているのだ。両親の仕事はだいぶ忙しいのか、母は時々家で内職をしたり、父は家に帰っても仕事の続きをしたりと、毎日毎日慌ただしい毎日を送るジュンの家族。 そんな両親に、「おこずかいが足りないから頂戴」なんて言っても、帰って来る返事は大抵決まっている、それどころか、無駄遣いをしたと思われ、説教を食らう羽目になる事も。 ジュンが貰うおこずかいは、普通の家に比べると若干少ない程度だが、節約を心掛ければどうにか1ヶ月持つ、だがジュンだって女の子であり、人間だ、欲しい物は探せばいくらでも見つかる。 ジュンは雑誌を読み終えスマホの時計を見ると、本屋から出て行く、時刻はもう5時近く、夕暮れが商店街を包み込み、学生達が帰る姿が目立つ、ジュンもその人混みに紛れた。 ジュンはいつもバス通学、家近くのバス停から学校前のバス停まで、約十数分バスに揺られる、最近はバスの中でも窃盗事件が起きるので、ジュンはなるべくバス内では鞄を開かないようにしている。
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