あのころ

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テレビを見る時、本を読むとき、日記を書くとき、くつろぐとき、私はソファに座るのが日課になった。ユウヤと一緒に座りたかったのに、どんなに呼んでもユウヤは隣に座ってくれなかった。 「俺、ここでいいや」そう言ってソファにもたれかかってテレビを見るユウヤの頭を私は上から覗いていた。「ユウヤ」何の用事もないのに名前を呼ぶと、めんどくさそうにだけど必ずこっちを向いてくれた。たまに何も言わずつむじをつつくと、そのまま膝に頭をもたせかけるようにするユウヤが愛おしくて。 二人でそのまま寝込んでしまうことも度々だった。明け方、肌寒くて目が覚めた後、ソファを降りて寝込んだユウヤの隣に移動するのはいつも私の役目だった。 ソファに隣同士で座ることは出来なかったけど、こんな日々もいいかなって、ずっと信じていた。
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