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佑樹は思わず拳を握る。
やった!!
完璧だ!!
やっと認めやがった!!
だけど、これからどうする?
ここまで、桜子を妊娠させたことを美穂の旦那に認めさせることが完全な目的だった。そこから先のことは、何も考えていない。まさか、ここで佐々木に電話をかけるわけにはいかない。
佑樹は悩む。そのとき、佐々木の言葉が脳裏をヨギる。“これで、美穂さんのことも取り戻せるかもね”佑樹は頭をフル稼働させる。
どうやったら美穂を取り戻せる?
妊娠をネタに、美穂の旦那から連絡先を聞き出すか?
だけど、さっき俺は、美穂の連絡を知ってるような言い方をした……。
もし、美穂の連絡先を知らないことがバレたら、美穂の旦那を勢いづかせるかもしれない……。
だとしたら、どうすればいい?
佑樹は考えたあげく、1つの結論に達する。
桜子を使ってみるのも、面白いかもしれない……。
うまくいけば、すごく面白いことになりそうだ……。
ためしてみる価値はある……。
佑樹は小さく頷くと、じっと桜子を見つめる。
「何? どうしたの?」
佑樹の視線に気づき、桜子が反応する。佑樹はフッと小さくため息を吐く。それから、ゆっくりとした口調で、桜子に語りかける。
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