第24章 現在・佑樹

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「町村さん、誤魔化してはいけませんよ。ちゃんと、佐々木香代子さん本人から被害届が出ているんです」 「なんだって!?」  佑樹は驚いて大声を上げるけれど、そんなことは完全に無視するように、刑事は黒い手錠を(ふところ)から取り出す。 「両手を出してもらえますか?」  刑事の言葉に、佑樹は思わず、 「ちょっと待ってくださいよ!!」  と抵抗する。  すると、後ろに控えていた二人の刑事が佑樹の両脇に回り込み、それぞれ右腕と左腕をガッチリと掴む。そして、そのまま佑樹の手をむりやり前に出させると、先頭に立っていた男がしっかりと手錠をかけた。 「じゃあ、行きましょう」  刑事がそう言って、佑樹を引いて歩き出す。 「ちょっと話を聞いてください」  佑樹は必死に訴えるけれど、 「話なら警察署で聞きますよ」  と刑事は冷淡に答える。  そして、佑樹はそのまま一階まで連れて行かれると、待機していたパトカーに乗せられる。  何が起こっているのか、佑樹にはまったく訳がわからなかった。ただ、自分が警察に逮捕されたという事実だけが目の前にあった。
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