第24章 現在・佑樹

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 そんな佑樹の元に大学からの呼び出しがかかったのは、裁判の三日前のことだった。佑樹は大学の事務方数人から聴取を受ける。それは、いちおう用意された弁明の機会だったようだが、結果は初めから用意されていたようだ。  聴取を終えたあとで、佑樹には一枚の紙が手渡された。それは、学長名でか書かれ、学長の印が押された退学通知書だった。佑樹はその紙切れを渡された瞬間、ガックリと肩を落とす。だけど、もはやどうしようもない。どんなに弁明しようが、状況は変わらないだろう。  佑樹は受け取った紙切れを持って、トボトボと大学を後にした。
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