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しばらく天井を眺めた後で、僕はしまっておいた離婚届を取り出した。もう、絶対に使うことのない離婚届。僕はそれを思い切りビリビリに破る。
それが終わると、僕は棚から便箋を取り出し、辞職願を認める。これまで、真面目に努めてきた会社だし、未練は尽きるはずもない。それでも、これ以上会社に留まることは、僕のプライドが許さない。
終わってみれば、僕は何もかも失っていた。ほんの少し前までは、こんな未来なんて予想もしていなかった。
愛と欲望の果て、そこにあったのは、破滅と絶望でしかなかった。
【本編完】
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