番外編第1章 過去・香代子

5/18

1817人が本棚に入れています
本棚に追加
/680ページ
「どうしよう。やっぱり告白すべきかな?」  香代子はモジモジとしながら千春に尋ねる。 「そりゃあもちろん」 「でも、フラレたらどうしよう?」 「そのときはそのときよ。告白しないと、始まるものも始まらないよ?」 「もう、他人事だと思って!!」  香代子はポコポコと千春を叩く。それに合わせて、千春がキャッキャと笑うものだから、囲碁に集中している他の部員たちから睨まれる。  香代子も千春も思わず口を噤む。そして、お互いに顔を見合わせて、小さく舌を出す。そして、香代子は思う。  でも、千春の言うとおりよね……。  告白しないと始まるものも始まらないし……。  長嶺先輩の方から告白してくれたらいいのになあ……。  でも、そういうのって、やっぱりムリだよね……。  明日、もし二人きりになったら告白しようかな……。  でも、どうやって告白しよう?  ラブレター?  今どき流行らないか……。  口で告白?  面と向かってなんて恥ずかしくて多分言えない……。  どうしよう……。  なんかいい方法ないかな……。
/680ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1817人が本棚に入れています
本棚に追加