番外編第2章 過去・香代子

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 そのとき、香代子の視線の端に、いかにもガラの悪そうな三人組の男が公園に入ってくるのが見えた。長嶺はそれに気づいていそうにない。  嫌な感じ……。  こっちにこなければいいけど……。  香代子のそんな思いとは裏腹に、男たちはニヤニヤと笑いながら、香代子たちの方に近づいてくる。  そして、香代子たちまであと数メートルというところで、男の中の一人が、 「あれぇ?」  と声を上げた。  その声に、長嶺もようやく男たちの方を見る。その瞬間、長嶺が凍りつくのを、香代子は感じた。  そんな長嶺に向かって男たちが言う。 「囲碁オタクの長嶺くんじゃん」  その言葉に、他の男二人が笑う。長嶺は立ち上がると、香代子の腕を取ってムリヤリ立ち上がらせ、 「行こう!!」  と言って歩きだそうとする。  だけど、そんな香代子たちの前に、男の一人が走って回り込み、行く手を阻む。
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