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第24章 現在・佑樹
ピンポーン……ピンポーン……。
インターフォンのチャイムが鳴る音で佑樹は目を覚ました。
時刻は午前八時。佑樹はゆっくりとベッドから這い出し、インターフォンに応答する。
「はい、どちらさまですか?」
「警察の者ですが、町村佑樹さんで間違いないですか?」
「はい、間違いありませんが、なんでしょうか?」
「ちょっとお訊きしたいことがありますので、開けてもらえますか?」
「はい」
佑樹はそう答えて、オートロックの開場ボタンを押す。
それからしばらくすると、今度は玄関のチャイムが鳴った。佑樹が玄関を開けると、そこにはスーツを着た男が三人立っていた。
「町村佑樹さんですね?」
先頭に立っているいかにも刑事風の男が言った。
「はい、そうですけど」
「あなたに逮捕状が出ています」
刑事は慣れた様子でそう言うと、逮捕状を示してみせる。
「えっ!? どういうことですか?」
佑樹は訳がわからず、刑事に尋ねる。
「佐々木香代子さんに対する強姦容疑です。覚えはあるでしょう?」
「いえ、ありません」
佑樹は否定する。だけど、三人の刑事は、鋭い眼光で佑樹を睨みつける。
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