1816人が本棚に入れています
本棚に追加
/680ページ
番外編第2章 過去・香代子
「今日はちょっと時間が早いし、そこら辺の公園でもう少し話さない?」
長嶺が言った。
「うん」
香代子は笑顔で頷く。好きな人と一緒にいられるのに、断わる理由なんてどこにもない。
香代子と長嶺はいつもの道を少し外れて、住宅街の中にある公園に入る。そして、他に誰もいない公園のベンチに並んで腰を下ろす。
「ねえ、もうすぐ香代子の誕生日なんだよね?」
長嶺が訪ねてくる。
「うん。来週の日曜日」
「だったら、どこかに出かけない?」
「デート!?」
「うん」
「行く!! 行きたい!!」
香代子は満面の笑みで答える。
長嶺と付き合い始めて、香代子はまだデートをしたことがない。
初めてのデートが誕生日とか素敵すぎる!!
香代子の心は踊る。そんな香代子を見て、長嶺も嬉しそうに笑う。
「どこか行きたい所ある?」
「いきなり過ぎて思いつかないよ」
「だったら、明日までに考えといてね」
長嶺は微笑みながら、香代子の頭を撫でる。
最初のコメントを投稿しよう!