幼稚園の魔術師

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 「質問ですか、お答えしましょう」  ツクルモノがそう言うと、園児たちの質問が殺到する。  「あたしたちが召喚したものは、売ったらお金になるの?」  「元が画用紙に書いたですから、画用紙が消滅すると召喚したものも消えますから、にせ者にしかなりませんよ。但し、紙が健在なら精度の高いにせ者としての価値はつきますよ」  「じゃあ、そのお金も召喚したら使えるの?」  「アブラスタ紙幣ですか。下手にかけばにせ札にしかなりませんが、巧く書ければ造幣局でお金に出来ますよ」  園児がするレベルの質問ではないなと思いながらもツクルモノは回答していく。  「お友だちって召喚出来ますか?」  「お友だちにしろなんにしろ、人間を召喚することはもちろん出来ますが、友人になるとか恋人になるとか、そういったことは努力しなければ出来ませんよ。いけないいけない。ペイジくんの質問でしたね」  「書いて召喚してみたんですが、どうしても巧く召喚できなくて」ペイジは画用紙から分厚い一冊の本を置いた。
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