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「これはオオカミネコとミミトビネズミじゃな?」
高原の民ハイランドエルバスの呪術師ウタウモノは、青く美しい翼を持つハイランドイーグルが捕まえて来たネコとネズミを見てそう言った。
ハイランドエルバスはムスクと呼ばれる鹿に跨がって高原を放牧する民族で、ムスクは牙を刀剣として使い、良い香りのジャコウ袋を香水として女性が使っているほか、ハイランドエルバスが移動手段として使う大人しい鹿だ。
「高原では珍しい生き物です。どういうことでしょう」
「樹上の民が暮らす森と、低地の民が暮らす大地は近いと見た。オオカミネコは狩りをする樹上動物で、ミミトビネズミは低地の穴に巣を作る、これは宿が近いと見たぞ。ヨッピーよ、ようやく宿にありつけそうじゃ」
ハイランドイーグルが樹上の民と低地の民が棲む場所まで飛んだということは、放牧して随分遠くまで旅をしてきた証拠だ。連れて来たムスクもそろそろ休ませてやろう。ヨッピーはそう思いながら、ウタウモノに訊ねた。
「して、ネコとネズミはどうしますか?」
「それぞれの民のもとに返してやりなさい」
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