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初めまして。パンイチの痴女です。
「異界より参り賜わる乙女よ。
どうか我らにお情けを与えて下さい」
金髪の見目麗しい美丈夫たちが、わたしに向けて華やかな笑顔を見せる。
あっはっは。
どうやらわたしは、とうとう気が触れたらしい。
もしくは、あの目眩の拍子に倒れて頭を打ち付けたか。
夢かイカれた妄想の産物としか思えない光景に、込み上げる笑いが止まらない。
そびえ立つ何本もの石造りの円柱に、纏わりつくようにして煌めく水晶玉。
どこかの宮殿か神殿を思わせる部屋の作りからして異常極まりない。
加えて、どう見ても日本人離れした容姿と鍛え抜かれた裸体を晒す美丈夫たちは、腰に巻かれた布だけを身に付けている。
そしてわたしも、肩が凝るほどの大きな胸をババンと惜しげもなく披露して、おパンツ一丁という破廉恥な姿だ。
こちらもパンイチ。あちらもパンイチ。
欲求不満か。
夢や妄想にしてはあまりにも酷い格好だと思うが、これが現実であるはずがない理由にはなるだろう。
「麗しの乙女よ。名前をお聞かせ願いたい」
「初めまして。パンイチの痴女と申します」
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