ヌーによるお仕置き ( 極悪バージョン )

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それから数時間が経った頃、屋敷に訪問者が現れた。 「ではウチの若様をようく可愛がって下さるよう、抜かりなく弟に申し付けておきなさい」 憐れにも、ラブリー部屋から腹黒に蹴り転がされていた簀巻きガルファンが、そのまま外の草むらに放り出される。 それを担ぎ上げ、腹黒に深々と頭を下げているのは、前回謝罪に訪れた女王の使者なる者達だった。 簀巻きが簀巻きをどこへやるつもりだ。 麗しいままの腹黒に聞いたところではぐらかされるのがオチだが……ガルファンの黄金色の瞳が必死でわたしに何かを訴えている。 ……正気を取り戻したらしい。 引き離されることを察知したのか、はたまたこれからのお仕置きを憂いてか、涙目で縋るようにじーーーっと見られては、妻として助けないわけにはいかないだろう。 玉砕覚悟で腹黒に抗議の声を上げかけた時、 「貴方様のその姿を何百年ぶりに見たことでしょう。よければ私どもと一緒に女王の元へ参っては下さりませんか?」 「遠慮します。弟の性癖に付き合うつもりはありませんからね。今回は若様を生贄とする事で話はついてます。さあ、行きなさい」 と、わたしの口から音が漏れる前に、腹黒の掲げた手から謎の発光体が現れて、使者共々ガルファンはその場から居なくなってしまった。 ごめんガルファン……間に合わなかったよ。 「……弟さんは女王の所でお働きになっているんですね」 女王の使者が迎えに来たということは、つまりそういう事だと思って聞いた何気ない一言は、腹黒によって否定された。 「言ってませんでしたっけ? 私の弟は女王なんですよ」 「は?……いや、でも」 「奥様の言いたいことは分かります。ですが私は説明したはずですよ。この国に女は産まれないと……あの愚弟の姿に騙されてはいけません。アレは趣味が高じて女のナリをしていますが、元々そういう性癖というか同性愛者なものでして……しかも若く見目の良い男なら種族は問わない奔放ぶりですが、そんな愚弟にも一つだけタブーがあるのですよ」 ……これ以上聞いてはいけない気がするが、話を遮る前に腹黒がニタァと笑う。 「初物に手出しはしないということです。若様は晴れて童貞を卒業されましたのでね。弟は喜んで私の意図を受け取ってくれるでしょう」
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