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< ガルファン視点 >
たぶん僕は血の気が引いている。
そして情けなくもユーリに助けを求めている状態だ。
本来の姿を晒しているヌーを前にして、朧げだけど本能で突っ走ってしまった自分の失態が蘇っていた。
「今頃後悔しても遅いです。観念なさい」
( ヌー! 嫌だよ!こいつら女王の手先じゃないか! )
「そうですね。弟の “ お気に入り ” 達です」
( ぼぼぼ僕にはユーリがいるんだぞ! )
「ええ。存じ上げておりますよ。ですから最高のお仕置きを若様に与えねばと思いまして」
冗談じゃない! 僕にそんな趣味はない! 断じて受け入れられないお仕置きから逃れるべく、がんじ絡めとなった鎖を引きちぎろうと力を込める。
「無駄です。妖精の戒めは妖精にしか解けませんからね。私は勿論、解く気はありません。弟が対価なしに解くとは思えませんので、せいぜい泣きつくとよろしいでしょう」
( ふざけんなっ! ヌーは僕に女王の変態趣味に付き合えって言うつもりなの?!)
「さあ? どうするかは若様次第かと……」
( あああああーーっ!無理無理無理っ!! )
「では、行ってらっしゃいませ」
ぎゃああぁぁぁーーユーーーリィーーー!
眉を下げた愛しい番の顔を最後に、僕はヌーによって女王の元へと強制転移させられた。
「待っていたぞガルファン」
嫌っ嫌っ嫌! 僕は待ってない。帰る。帰らせて。ご丁寧にベッドの上で全裸で待ち構えていた女王が舌舐めずりをするを見て、簀巻きのままではあるが全身で拒否をする。
「まずはおめでとうと言うべきだな。ガルファンが童貞じゃなくなる日をどれだけ待ち侘びていたことか」
( 僕に触るなっ!)
伸びて来た手に威嚇するも、口も手足も術さえも封じ込められては全く効果はない。
易々と女王のボリューミーな胸に顔が埋められて、窒息しそうになる。
あああっ! 僕の身に纏ったユーリの温もりも匂いも汚されてしまうぅぅ。( 泣、泣、泣 )
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