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「……ねぇ、いつまでそうしてるの? わたし、気にしてないから出ておいで。一緒に寝ようよ」
僕はいま、絶賛ショボくれ中である。
シーツに包まり、ユーリの温かな、それでいて残酷な優しさに涙が出そうになっている。
ううう……情けない。不甲斐ない。
とんだ失態だ。
ユーリの甘い誘惑に、僕を想う気持ちに堪え切れず、耐えていたものが一気に振り切れてしまうとは。
恥ずかしくて悔しくてプライドがズタボロに引き裂かれ、出るに出られないでいる。
背を摩る柔らかな手にも、問い掛けにも、僕は答える事が出来ない。
気にしてないって……なんて事だ。
ユーリとの大事な初めての交わりで、数秒も保たせる事なく一人でイッた己のイチモツが恨めしい。
これだから童貞はっ!
ユーリに気遣われるなんて、愛しい番に言われるなんて最悪じゃないか。
嫌われたかもしれない。呆れられたかもしれない。もう二度と交わってくれないかもしれない。
あああ、死にたい。男として終わってる。
意気消沈。僕は立ち直れないよ。
首がベッドにめり込んでいく。
ユーリにどの面下げて顔を合わせたらいいのか分からず、自信喪失により背もどんどんと丸まりへたり込んだ瞬間、
「……ガルファン。また、しようよ。とりあえず、今日は寝……っんぐ!」
ユーリ!! いま、何て?!
また、って言わなかった? しようって?!
しっかりと耳が拾った言葉に、沈み込んでいた身体をカバッと起こして振り返る。
「ちょ、急に動かないでよ。顔ぶつけたじゃない」
あああ、ゴメンねユーリ! ででででも!でも!でも! いま言った事は本当に? え、いいの? 僕でいい? またチャンスをくれるの?
たぶん、必死の形相。
若干、仰け反るユーリの引き攣る顔が見えるけど、これは大事な事だからちゃんと確認させて欲しい。
覗き込む僕の迫力に押されたのか、それとも本心からか、ユーリは頷いてくれたんだ。
嬉しいっ!
情けないほど萎れていた僕のモノも復活だ!
じゃ、二回戦を……とのしかかれば、今日はもう終わり、と言われた。( 涙、涙、涙 )
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