まさかの、ヤル気マンマン

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まさかの、ヤル気マンマン

結論から言おう。 今回の選択肢に逃げ場はありませんでした。 どちらも選べるか! ふざけんな変態! と、本来なら罵ってしかるべきところだが、もはや別次元の内容を語られては、相手にするだけ無駄というものだ。 数々の変態を目にしたわたしは、達観の境地である。 正常な人間とド変態が話をしても成り立つわけがない。マトモに聞くとこちらまで脳がヤラれてしまう。 だから、帰らせて頂きます。 無言でくるりと背を向けて、退室しようと足を踏み出し、つんのめる。 ぬおっ! あわや床に激突か! ここで転けたらかっこ悪いとか、何もないとこで蹴躓くのは歳のせいだとか、瞬時に駆け巡ったどうでもいいこと。 ……おや? の後で、身構えたわりに来ない衝撃にハテナが飛んだ。 「ははは。ガルファンは覚悟を決めたようだぞ」 ……え? ……え? ………えええっ?! 人の認知能力は素晴らしい。何を優先にすべきか咄嗟に判断出来るから。この場合、つまり転けることに意識が持っていかれたわたしは、頭の片隅に横たわる違和感の正体に気付くのが遅れたらしい。 腰に巻き付く黄金色が目に入る。 何だコレ……あ、尻尾だ。え、尻尾? えええっ?! の部分でやっと状況を理解する。出て行くわたしを止めていたのはガルファンだった。 ちょ、ちょっと待って! あんたもあの鬼畜内容を聞いたでしょ。って言ってもガルファンは竜だから通じてないだろう。……だが、何となくだけど、ガルファンは分かっているように思えた。 だって、瞳がね。凄くね……力強く輝いているんですよ! 意志を宿したその目に浮かぶのは、情欲と確固たる決意。 ……たぶん、間違いない。 超超超ガン見されてるし、腰にある尻尾が妙に艶めかしく撫で回すように動いている。 やめろーー! まさかの味方 ( だよね? ) の裏切り。 万事休す!!
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